高級車の代名詞とも言えるメルセデスベンツ Eクラス。メルセデスの中でも非常に長い歴史を持つモデルの一つですね。
その歴史は「ミディアムクラス」と呼ばれるW124から始まり、5代目となるW213まで受け継がれて現在に至ります。2020年にはW213のマイナーチェンジが行われ、「ハイ、メルセデス」も導入されるなど話題を呼びました。
現行のW213 後期モデルについて詳しく知りたい方は、以下のページへどうぞ。
kamas-cars.hatenablog.com
ただし、現行モデル「W213」は中古車価格でも500万円以上とやっぱりお高い。
もっとお手頃な値段でEクラスを味わいたい、と言う方は一世代前に当たる「W212」がオススメです。
2009年〜2016年にかけて販売されていた4代目Eクラス「W212」は、2022年現在の中古車価格は概ね200〜300万円がボリュームゾーンとなっています。
そこで今回は…
- メルセデスベンツEクラス W212 後期モデルの
- 走り
- 外装(エクステリア)
- 内装(インテリア)
- 機能
Cクラス(W205)とAクラス(W177)を所有するベンツオーナーにW212はどう映ったのか?
“今だからこそ光るW212の魅力”もたっぷりとお伝えしていきます。
- 手頃な価格でEクラスに乗りたい
- W212後期モデルの乗り心地を知りたい
- 10年前のベンツってどうなの?を知りたい
今回レビューする車の概要
今回は我が家のAクラス(W177)のエアコン不調によりディーラーに入庫した際、代車としてEクラス(W212)をお借りすることができました。丸一日のお付き合いでしたが、非常に有意義な代車生活でしたよ。毎度のことながらディーラーには感謝です。
走り
まず乗り始めた瞬間、感じたのが乗り心地の良さ!以前にW213をお借りした時と同じ感動です。やっぱりEクラスの乗り心地は素晴らしい…。
Eクラス(W212)の走りは…
- 全ての操作系において重厚感と高級感がある
- 12万キロ超えとは思えない素晴らしさ
- 車重2t越えのため、全体的に重さは感じる
- 安全性能はW205とほぼ同じ
全てが“重厚感”と“高級感”に溢れる
しっとりと重いステアリングフィール、アクセルを踏んでから一拍置いて静かに唸るエンジン、揺れ動くことのないドッシリとした乗り心地…。どの操作系においても“重厚感”と“高級感”に溢れています。
まずはステアリングフィール。
やや重さを感じる味付けで、まったりとしたフィーリングです。切り始めは少しタメがあり、切り込んでいくとクルマの向きがス〜っと変わるような感覚。
スポーティでは無くジェントルな味付けです。
加速時の動きも高級感があります。
アクセルレスポンスは至って穏やかです。アクセルを踏み込むと一拍置いてから静かに唸り、ゴォ〜っと加速していきます。
ディーゼル特有のエンジン音や振動は室内からは全く気付かず。回転数のレッドゾーンが低いから「あ、ディーゼルか」と気づく程度です。
一方、サスペンション含めた足回りも「ジェントル」な味付けです。
ボディはフラットな姿勢を保ったまま段差をいなすような感じ。重たいボディで押さえつけて足回りを良く動かすようなイメージでしょうか。
少し速い速度でカーブを曲がってもビクともしません。少しだけロールしながらも難なくクリアしていきます。
12万キロ超えとは思えない素晴らしさ
お借りした個体は、新車登録こそ7〜8年ほど前であるものの、走行距離は12万キロを超えた車両でした。
ただし経年劣化によるダンパー抜けなどの不快感は一切感じられず、非の打ち所がない乗り心地でしたよ。
6万キロちょっとで足回りの修理が増えてきた我が家のCクラスのことを思うと、10万キロ超えなんて程遠いよなぁ〜…と思っていましたが、今回お借りしたEクラスに乗って少しだけ期待が膨らみました。
ベンツで10万キロ以上走ってもこのクオリティを維持できるんだ!
そう感じるほどW212の乗り心地は素晴らしいものでした。
車重2トン越えのため重さは感じる
全体的にジェントルで落ち着きのある乗り心地で、何とも優雅な気分になるクルマです。特に高速道路ならとても快適なクルージングができるでしょう。
ただし”重厚感“の裏返しで、“軽快感”はありません。
3.0LのV6ターボのディーゼルエンジンを積むE350 BLUETECはAMGモデルを除くと最上位グレードです。
そのエンジンは252馬力、最大トルクは63.2kgm(!!)と言うとてつもないパワーを発揮します。
正直なところ、カーブを曲がる時もノーズの重さを感じます。ハンドルの重さではなく、ボディの重さを感じるのです。ヒラヒラとワインディングを走れるような軽快感はありません。 強力なブレーキを備えているにも関わらず、ちょっとプア?ガッツリと効くようなフィーリングではありません。この辺りは経年劣化かも知れません。意図的な“味付け”なのか、それとも車重2トン越えの代償なのか…。少なくとも運転する楽しさよりも快適性を重視した乗り心地だと感じました。
安全性能はW205とほぼ同じ
全ての安全性能を試した訳ではありませんが、自動追従式ACC(=ディストロニックプラス)、パーキングアシスト、ブラインドスポットアシスト、レーンキープアシスト、ハイビームアシストなど一連の安全性能を試した結果、ほぼW205と同じでした。今や軽自動車にも装備される内容かも知れませんが、今から10年近く前にこのレベルを実現していたのには驚きます。だから中古車を検討している方、安全性能も抜かりないですから安心してお乗りになれますよ。
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外装(エクステリア)
続いてエクステリアの解説です。 今や街中で多く見かけるW212の見慣れた顔も、歴史を紐解きながら改めて見ると面白いものです。W212のエクステリアの概要は…
- 4灯式をイメージしたヘッドライト
- キャラクターラインが複雑
- さほど時代の古さは感じない
4灯式をイメージしたヘッドライト
Eクラスと言えばW210時代から4灯式のヘッドライトが特徴的で、W212も前期型は角目の4灯式ヘッドライトでした。
しかし2013年のマイナーチェンジでヘッドライトの意匠が変更されて、後期モデルは4灯式の名残を残したデザインの2灯式ヘッドライトとなりました。何も知らずに見るとちょっと不思議な形に感じるかも知れませんが、4灯式の名残と思えば納得できますね。
ライン状のデイライトの形状なども4灯式を思わせるデザインです。
フロントグリルは中央のスリーポインテッドスターから2本のルーバーが横に伸びたデザインの「アバンギャルドグリル」となっています。前期モデルは伝統的なエレガンスグリルのイメージが強いですが。
フロントバンパーの形状は至ってシンプル。 エアダクト部分はダミーでは無く、ちゃんと穴が空いており向こうが見えますね。 昨今のモデルは、この辺りダミーを多用したデザインが多いので逆に新鮮です。
キャラクターラインが複雑
横から見るとキャラクターラインが特徴的ですね。前期モデルでは「ポントンライン」と呼ばれるリヤフェンダーを強調するサイドプレスがありましたが、不評だったためか廃止されて直線ラインになっています。
リヤフェンダーの上からテールライトに向かって走っているラインがそれです。
したがって、フロントフェンダーから後方に向かって伸びるラインと並行するように、2本のキャラクターラインを持つサイドビューになっています。当時のメルセデスらしい、ちょっと複雑な構成のデザインです。
さほど時代の古さは感じない
ワゴンのため、リヤビューはやや平面的ですがまとまっています。特徴はテールライトのデザインでしょうか。
形こそ前期型と変わりないものの、内部が蝶の羽のように光ります。このデザインは現行のW213にも通ずるため、さほど時代は感じませんね。W212の中古車を探してもらう
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内装(インテリア)
次は内装の解説です。
W212の内装は…- やや時代は感じるが“渋カッコ良い”
- 後席の快適性はさすが
- 後席/トランク周りの機能は充実
やや時代は感じるが“渋カッコ良い”
インパネはこんな感じ。今ではベンツのトレードマークとなった円形のエアコンアウトレットがないため、今となってはやや時代を感じるデザインかも知れません。
でもよく見ると“渋カッコ良い”要素が盛りだくさん。
例えばインパネ中央にあるアナログ時計とか…
木目のハンドルなど…
他にもフロントシートの角張った形状もちょっと渋カッコ良いかも。
座り心地はさすがにW213には勝てませんが。本革シートはやや硬めの革ですが、12万キロの走行距離を感じさせない快適な座り心地です。
全体的に樹脂製パーツは多めであるものの、ポイントを抑えた材質のチョイスでチープな印象はなく上質な雰囲気。まぁ新車価格で1000万円弱のクルマですからね。ちなみに夜はブルーのアンビエントライトがキレイに光ります。色や明るさの調整は不可。
後席の快適性はさすが
普段Cクラスに乗り慣れている身からすると、やはりEクラスの後席は頭上も膝回りも広くて快適ですね。後席もガシガシ使う3人以上の家族にとっては素晴らしいクルマだと思います。後席は6:4の2分割式。 後部座席横のレバーと、トランクルーム後方のレバー、二つのレバーで倒すことができます。 本革シートのオプションを選ぶと、後席にシートヒーターが装備されます。 サンルーフを開けると開放感はMAX。ワンタッチで開くサンルーフにちょっと感動したりして…やっぱりサンルーフ欲しいですねぇ…。Cクラスの場合、自分が座るなら圧倒的に運転席が良いですが、Eクラスならサンルーフを開けて日差しを感じながら後席でマッタリするのも良いかも。
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後席/トランク周りの機能は充実
ワゴンにお乗りの方から「何を今更」と言われそうですが、後席周りの機能にはちょっと感動しました。まずはコレ。
なんのボタンか分かります? 正解は、後席のヘッドレストを自動で下げてくれるんです。後方視界をボタン一つで確保できる、なかなかの優れものです。他には後席を倒す時のアクション。
このレバーを引くと座席が倒れるんですが…。倒れる時に前席を自動で少し前に移動させてくれるんです。要は後部座席を倒した時、引っかからないようにしてくれるんですね。すげえ…。こういうのってCクラスワゴンにも付いてるんでしょうか。以上、ちょっとだけ感動した機能のご紹介でした。
トランクルーム周りの機能も色々あります。
トランクルームは全て起毛質の生地で覆われていてプラスチッキーな印象は皆無。
トノカバーの位置を調整できたり…
後部座席との間に網目の仕切りを引っ張り出せたり…
当然のごとくパワーテールゲートも付いています。
トランク下にはアドブルーの投入口があるのですが…フタを引っ掛けて固定できるようになっています。細かい気遣いが素晴らしい!
トランク周りはLEDが多数あり、夜間の視認性も良好です。とにかく後席やトランク周りの機能は非常に充実していました。やっぱりファミリーユースにはワゴンが良いなぁ…。
まとめ
いかがだったでしょうか。 値段もこなれてきたW212後期型ですが、ぶっちゃけCクラス(W205)からW212に乗り換えても良いな、と思えるほど素晴らしいクルマでした。特に内装は「コストかかってるなぁ〜」と感じる部分が多くありました。現行モデルのような煌びやかな豪華さは無いんですが使い込むほど良さに気づく、そんなクルマだと思います。
写真映えに振ったデザインも悪くないですが、W212時代の質実剛健なクルマも良いもんです。
さて、W212の中古車をお探しの方、カーセンサーなどで自力で探すのも良いですが条件だけ入力すれば中古車を探してくれるサービスを利用してみては?気になる方は是非。ネットに掲載される前の非公開車両も紹介してくれるので掘り出し物に出会えるかも知れません。
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