皆さんは洗車した後にコーティングしていますか?
コーティングはボディ表面の艶出しだけでなく汚れを防ぐ“防汚効果”もあるので、より満足のいく洗車ができます。
しかし、いざカー用品店やホームセンターに出向くとたくさんの商品が並んでいるので迷いますよね。価格帯も幅が広いので、どれを買ったら良いか分からなくなってしまいます。「コスパの良いコーティング剤を知りたい」「どのコーティング剤を買えば良いか知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は…
- コーティングの役割
- コーティング剤の選び方
- コスパ最強のコーティング3選
コレを読めば「安く」かつ「簡単に」クルマをキレイにする方法が分かりますよ。これまで実際に自分で使った中から自信を持っておすすめできる”コスパ最強“のコーティング剤をご紹介していきます。
コーティングの役割とメカニズム
まずはコーティングの役割とメカニズムについて解説していきます。
”洗車“とはカーシャンプー等で脱脂することを指すのに対し、”コーティング“とはボディ表面に一層の皮膜を形成することを指します。コーティングすれば愛車をよりピカピカに、そして長期間キレイな状態を保てるようになります。
ではコーティング剤はどのようにして汚れを防いだり艶を出しているのか、そのメカニズムについて徹底的に解説していきます。
- 塗装本来の色を取り戻す
- 艶を出す
- 汚れを防ぎ美観を維持する
塗装本来の色を取り戻す
コーティングすることによって塗装本来の色を取り戻すことができます。
新車時はボディの塗装表面がキレイで平らな状態ですが、走っていくうちに砂や汚れなどにより表面に無数の細かい傷が入ってしまいます。そうすると、塗料に配合された顔料の発色性が傷の凹凸によって邪魔されてしまい、白くボケた色味になってしまいます。
つまり塗装の色味は変わっていないのに、表面にある傷のせいで白く見えてしまい、鮮やかさが失われるのです。
そこにコーティング剤を塗布すると、細かい傷の間にコーティング剤が入り込み隙間を埋めて平らにしてくれます。それにより白ボケが解消されて塗装本来の色味を取り戻し、鮮やかさが復活します。
とりわけ黒をはじめとする濃色系カラーのクルマにおいては、その効果が体感できるでしょう。洗車したのに何だか色味がボヤけているなぁ…と感じたら、ぜひ一度DIYコーティングにトライしてみては?
艶を出す
一般的にコーティングと聞いて連想するのが「艶出し」ではないでしょうか。コーティング作業を終えてピカピカに輝く愛車を眺めるのは至福のひと時ですよ。
塗装面の上に一層の膜を形成することで平滑な表面になるため、深みのある光沢が発現します。専門的な話になりますが、結晶構造が”ち密“だとよく光を反射するため、ワックスやシリコーン系の成分が特に艶感が出るそうな。そう言った艶出し成分を塗膜表面に物理的に付着させることで、塗装だけでは出せない深みのある光沢が出るのです。
「今まで一回もコーティングなんてしたことないよ〜」と言う方も、コーティング独特の艶感、ワンランク上の輝きを味わったら病みつききなるかも?
汚れを防ぎ、汚れを落としやすくする
クルマは埃(ほこり)やオイルミスト、排気ガスや雨などさまざまな物質が付着する過酷な環境下に晒されていますが、素の塗装面にはそこまでの防汚効果がないためすぐに汚れてしまいます。「こないだ洗車したのにもうこんなに汚れてしまった…」と感じた人も多いのではないでしょうか。
コーティング剤には「防汚」と「汚れ除去」の効果があります。「防汚」効果により汚れにくくなるだけでなく、「汚れ除去」効果により汚れが落としやすくなるためメンテナンスが楽チンになるのもメリットです。
汚れの付着を防ぐ”防汚“には「撥水性(水を弾く性質)」と「撥油性(油を弾く性質)」を併せ持つ表面が望ましいとされています。つまり”油汚れ“と”水系の汚れ“の両方を弾き、一切の汚れを付着させない…という考え方です。だから結合力の強いSi(シリコン系)やF(フッ素系)を用いたコーティング剤が多い訳ですね。
ところが撥水性が強すぎると水を弾くあまり洗い流せなくなり、「汚れ除去」しにくくなってしまいます。そのためコーティング剤は汚れを弾きつつ、水で洗い流せるよう”適度に水に馴染む“ことが重要です。したがって親水性のコーティング剤は「汚れ除去」を重視したコーティングと言えますね。
コーティング剤の選び方
コーティング剤には様々な効果があることが分かりました。そのためどの効果を重視するかによって使うべきコーティング剤が異なります。
そこで重視する性能と選ぶべきコーティング剤の種類について解説していきます。
- 防汚性を重視するならガラス系
- 艶感を重視するならワックス系
防汚を重視するならガラス系
コーティングすることで「メンテナンスを楽にしたい」「汚れにくいボディにしたい」といった防汚性を重視したい方はガラス系のコーティング剤を選ぶと良いでしょう。
一般的なガラスコーティングには「ポリシラザン」と呼ばれる成分が使われており、コーティングして空気中の水分と反応することで「二酸化ケイ素(SiO2)」の皮膜を形成する仕組みです。
二酸化ケイ素の皮膜は水に馴染みやすい”親水性“であるため、汚れを落としやすいボディになります。また、表面は非常に硬いため傷防止にも繋がりますよ。
しかしながら、ガラスコーティングは施工が難しいのが難点です。
まず、硬化するまで水に濡らしてはいけません。空気中の水分と反応して皮膜を形成する仕組みであるため完全硬化するまでに時間がかかる訳ですが、硬化する前に水に濡れるとそこだけ白く変色してムラになってしまいます。
また、艶出しするには下地処理が必須です。
一般的にガラスコーティングの皮膜は硬脆く剥がれやすい性質を持っているため、非常に薄い皮膜を形成しなければなりません。そのため、コーティング膜だけで平滑な表面を作れないため、下地処理を行うことが必須なのです。下地の状態が仕上がりの艶感に直結するため、施工の難易度は非常に高いと言えます。
ガラスコーティングはDIYでの施工は難しく、プロに任せた方が満足のいく仕上がりになるでしょう。
艶感を重視するならワックス系
仕上がりの艶感を重視するならワックス系のコーティング剤がオススメです。ワックス特有のヌルッとした艶は美しいですよ。
最も深い艶感が出るのは固形ワックスとされていますが、ムラなく塗り広げるには慣れが必要で、特に濃色系のボディではムラが目立ちやすいです。
そのため、DIYで施工する場合は液体タイプのワックス系コーティング剤がおすすめです。ロウやシリコーン等の艶出し成分に、ポリマーや溶剤を混ぜ合わせた商品が多数販売されているので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
一方、ワックス系コーティング剤の弱点は持続性です。ガラス系コーティング剤のように強固な皮膜を形成する訳ではないため雨などにより流れ落ちてしまい、艶感のある状態を長く保つのは難しいです。
そのため艶感のあるボディを持続させるには定期的に洗車→コーティングを繰り返し施工する必要があります。こまめなメンテナンスが必要になるため、なるべく楽をしたい方には不向きと言えます。
コスパ最強のコーティング3選
ご紹介してきてように、世の中には非常にたくさんのコーティング剤が販売されています。そのためどれを選べば良いか分からない…と言う方も多いはず。
そこで、これまで筆者が実際に使用してきた中で「コレは良い!」と感じたオススメの逸品をご紹介していきます。DIYで施工されることを前提にワックス系コーティング剤の中から、コスパを重視して選びました。
これを使えばコストを抑えつつ満足のいく仕上がりとなり、ワンランク上の洗車ができますよ。
①プレクサス
個人的にイチオシは「プレクサス」です。元々は戦闘機のキャノピー(操縦席を覆う窓の部分)をキレイにするために開発されたもの。過酷な環境下でも効果が持続するのが売りです。
プレクサスの特長は…
- 施工が簡単
- 効果が長持ち
使い方は洗車した後にプレクサスをスプレーし、拭き上げるだけ。水で濡れた状態でも使えるので、濡れたボディにプレクサスをスプレーして拭けば、水の拭き取りとコーティングを同時に施工でき、時短に繋がります。
また使用できる部材が多く、吸水性のある素材(布・革・軟質のゴムなど)以外であれば使用可能。だから施工する時に窓ガラスやレンズカバーへの付着を気にしなくて良い!あらゆる部材の艶出しを一気にできてしまうのは嬉しいですよね。
さらにムラになりにくいため濃色系カラーのクルマでも簡単に艶出しできます。施工が簡単な割に深い光沢が出るのもプレクサスの特長ですよ。DIYでもきっと満足のいく仕上がりになるので是非一度お試しあれ。
<効果が長持ち>
「軍用に開発された」という触れ込み通り、プレクサスは撥水効果や光沢が長持ちしてくれます。
特にワックス系コーティング剤は効果が長持ちしない商品が多いですが、プレクサスは他に比べて効果が持続する期間が長いと体感できますよ。青空駐車でも”キレイ“が長期間持続してくれます。
2位:グラスターゾルオート
創立100年を超える(!)日本磨料工業が販売するボディクリーナー「グラスターゾルオート」です。ピカールでお馴染みのメーカーですね。1973年から現在に至るまで50年近く販売されているロングヒット商品、根強い人気と確かな実力がある商品です。グラスターゾルオートの特長は…
- とにかく価格が安い
- 光沢が出てピカピカになる
<とにかく価格が安い>
5000円以上のコーティング剤が多く売られている中、このグラスターゾルオートはなんと500〜600円から購入できます。とにかく安い!しかも一回の施工で使う量がそんなに多くないので、1本(420ml)あれば十分長いこと使える経済的な商品です。
また、ホームセンター等でも売られているため入手しやすいのも特長です。
<光沢が出てピカピカになる>
「そんなに安いなら”安かろう悪かろう“じゃないの?」と思いがちですが、グラスターゾルオートはとても深い光沢が出る、確かな実力の持ち主です。また、洗浄力も高いので虫の死骸など頑固な汚れでも簡単に落とせますよ。
何でもタクシーの運転手やハイヤーの方が日常の手入れで愛用する方が多いんだとか。手軽にサクッと施工するだけで深い光沢が出るのでちょっとした手入れに最適です。
また、洗車した後の濡れたボディにそのまま施工すると、水切れが良くなるので便利です。高い商品だけが正解じゃない…と教えてくれる素晴らしい高コスパ商品ですよ。是非一度使ってみてくださいね。
ただし艶出しと汚れ落としに主軸を置いた商品なので、ガラス系のようなボディ面の保護効果はありません。また、水で流れ落ちやすいので雨が降ると効果は低減してしまいます。持続性が高くないため、こまめに施工するのが理想です。
3位:SONAX ブリリアント シャイン ディテイラー
元々、筆者がSONAXの「グロスシャンプー」を愛用していたとき、試供品としてもらったのが今回ご紹介する「ブリリアントシャインディテイラー」でした。あまりの使い心地と仕上がりの良さに速攻で買い足しに行ったのを覚えています。
ブリリアントシャインディテイラーの特長は…
- 撥水効果が高い
- 深みのある艶感が出る
<撥水効果が高い>
ブリリアントシャインディティラーを施工すると、水滴がコロコロと流れ落ちていくほどの高い撥水効果が得られます。やっぱり洗車後のボディは撥水した方が見ていて気持ちがいいですよね。さらに撥水効果が長く持続してくれるので、汚れが付着しにくくなりキレイな状態を保てます。
<深みのある艶感が出る>
ブリリアントシャインディティラーはとにかく仕上がりが美しく、施工後はとても深みのある艶感が出ます。シリコーン系のポリマーが配合されており、独特のヌルッとした光沢が特長です。
施工方法は、カーシャンプーで洗車後、濡れたままのボディにスプレーして拭きあげます。
乾いたボディには使用できないので、必ず施工面は濡らした状態にしておきましょう。
もし乾いたボディにスプレーした場合はキレイに拭き取れず、ムラのある外観になってしまいます。ただしボディが濡れていればムラになりにくく、濃色系のカラーでも美しい仕上がりになりますよ。
まとめ
いかがだったでしょうか。
様々な効果をもたらすコーティング、きっと満足のいく仕上がりになるでしょう。
目的によって選ぶべきコーティング剤は変わりますので、ぜひ今回ご紹介した商品も参考にしながら探してみては?ご自分に合ったコーティング剤に出会えれば、ワンランク上の洗車を楽しめますよ。