皆さんはベンツBクラスに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
”メルセデスベンツは高級車“というイメージをお持ちの方が多いようですが、どうやらA〜Bクラスについては例外のよう。事実、“ベンツAクラス しょぼい”とか“ベンツBクラス 貧乏”といった検索ワードが見られます。そんな検索ワードを見るたび、いちベンツオーナーとしては言いたいことが山ほど…。
そこで今回は「ベンツBクラスを買う人のイメージを知りたい」「Bクラスを買うのは貧乏人ってホント?」と気になっている方のために…
- Bクラスがバカにされる理由
- 実際のBクラスはこんな車
- Bクラスの購入層はどんな人?
これを読めば、ベンツBクラスのリアルな購入層が分かりますよ。ベンツ2台を所有するオーナーがガチで解説していきます。
ズバリ、Bクラスを買うのは貧乏人ってホント?
まずは結論から。
Bクラスをポンと買えるのは間違いなく貧乏人ではありません。
世間一般でいう貧乏人にはBクラスを選びませんし、そもそも買えないと思うんですよね。
Bクラスがバカにされる理由
なぜベンツの中でもBクラスが槍玉に上げられるのでしょうか。その理由について考えてみました。
「ベンツ=高級セダン」というイメージとの乖離
1980年代に190EやW124といったセダンが輸入され、当時バブル期だった日本で爆発的な人気を博したベンツ。その頃のイメージが強いためか、「ベンツ=高級セダン」というイメージが世間一般では定着しているようです。
一方でBクラスは、コンパクトカーであるAクラスのFFプラットフォームを用いて“居住性を重視した多目的コンパクトカー”として開発されたモデル。ですから、AクラスとBクラスは、上位のFRセダンとは系譜が違うのです。確かにボディ形状は高級セダンとは異なっており、外観だけ見ると「普通のクルマ」感は否めません。
すなわち、AクラスとBクラスは”ベンツ=高級セダン“という世間一般のイメージとの乖離が大きい。これが「Bクラスは貧乏人の車だ」なんていう偏見に繋がったのかも知れません。
Bクラスの独特な立ち位置
メルセデスベンツのラインナップは幅広く、セダンやSUV、電気自動車など様々です。そんな幅広いベンツのラインナップにおいて、Bクラスの「エントリーモデルに近い多目的コンパクトカー」という立ち位置は独特なように感じます。
1000万円越えが珍しくないベンツのラインナップにおいては、AクラスやBクラスはエントリーモデルの位置付け。そう言う意味でAクラスやBクラスは”安いベンツ”である事はたしかに否定はできません。
さらにBクラスは多目的コンパクトカーとして開発され、ファミリーカー然とした見た目をしています。セダンやCLA、AMG A35やA45などスポーティな印象が強いAクラスに比べると、Bクラスはその印象は薄いですよね。
高級感のあるセダンでもなければ、見栄えするSUVでもない…ファミリーカー然としたボディ形状でかつエントリーモデルに近いというBクラスの独特な立ち位置が、ネガティブなイメージを助長しているように感じます。
乗ってみないと分からない良さ
たしかにBクラスはクーペのような流線型ボディでもないですし、SUVほどの威圧感もありません。つまり、他のベンツに比べるとエクステリアのアドバンテージが希薄なので、乗ったことがない人にはBクラスの良さが分かりづらいのです。実際に乗ってみると、他にはない魅力がたくさんあるんですけどね(詳しくは後述します)。
そのため、乗ったことない人にはBクラスの良さが分からないため「Bクラスを買うのはベンツのバッチが欲しい貧乏人だけだ」という偏見を生むのではないかと思うのです。
実際のBクラスはこんな車
では実際にBクラスとはどんな車なのか、詳細を解説していきたいと思います。
新車の価格はざっと700万円
まず、Bクラスの新車価格はいくらぐらいなのかシュミレーションしてみましょう。
Bクラスには「B180」と「B200d」2つのグレードあり、それぞれの本体価格は以下の通り(2023年10月現在)。
- B180:537万円
- B200d :573万円
これはあくまで本体価格なので、ここからオプションや諸費用が加算されていき実際の支払い総額はもっと高いです。メジャーなオプションを付けた場合の支払い総額について見てみましょう。
B200dにAMGラインパッケージ、レザーエクスクルーシブパッケージ、アドバンスドパッケージを選択し、ドライブレコーダーとフロアマットを付けると…
総額702万円。
ね、クソ高いんですよ新車のBクラス。“貧乏人”ってどのレベルのことを言っているのか分かりませんが、貧乏人にはこんな車を買えるわけがない…。700万円の車をポンと買える人ってどれぐらいいるんでしょうか。
Bクラスと同サイズの国産車としてはトヨタシエンタやホンダフリードなどが挙げられると思いますが、それらの本体価格はおおよそ200〜300万円程度。すなわち、国産車の同セグメント車に比べると倍近くも高い。にも関わらず「貧乏人の車だ」なんて揶揄されるとは何とも理不尽な話です。
先進的な内装
Bクラスは国産車に比べると非常に高価。しかし、Bクラスはただ高いだけではなく、確かな実力の持ち主です。
その一つは、内装の質感の高さです。これはBクラスに限ったことではなくメルセデス全般に言えることですが、内装がとにかく素敵。実際にはこんな感じ。
どうでしょう。他社の同セグメント車を寄せ付けないほどの高級感のある内装だと思います。レザーやスウェード、カーボン調トリムなどの材質がふんだんに使用されており、安っぽいプラスチッキーな印象は皆無。隅々まで抜かりない仕上げです。ステアリングはなんとEクラスと同じもの(いわゆるトンボ型)が使われています。
また、先進的な装備も魅力の一つ。
メルセデス名物とも言える横長の巨大なディスプレイパネルは、使ってみるとかなり実用的で、ほとんどスマホと同じような感覚で使える優れものです。「ハイ、メルセデス」機能を含むMBUXや、オプションで選択できるジェスチャー機能など、最先端の技術が詰まっています。
優れた走行性能
さて、Bクラスの魅力は内装や装備だけではありません。肝心の走行性能もドイツ車ならではのハイスペックです。
ベースグレードのB180は1.3Lターボのガソリンエンジンを積んでいます。136PSと馬力はそこそこですが、実際に乗ってみると1500回転から20kgf・mを発揮する低回転型のエンジンで、街乗りでは十分すぎるほどの加速を得られます。たぶん欧州車あるあるですが、実際には数値以上の加速感を感じられることでしょう。
一方、上位グレードのB200dは2Lのディーゼルターボを搭載しています。トルクは脅威の32.6kgf・mをわずか1400回転から発揮…実際に乗ってみるとビビるほど速いです。ファミリーカーの形をしながらもそこら辺のスポーツカーより速いエンジンを積んでいるのです。
加えて2023年のマイナーチェンジにより乗り心地がブラッシュアップされており、高級車らしいゆったりとした乗り心地です。静粛性は言わずもがな。
最新の安全装備
ベンツと言えば安全性に定評がありますが、Bクラスも例外ではなく最新の安全装備が詰め込まれています。
レーダーセーフティパッケージは全車標準装備となり、いわゆるACC(オートクルーズコントロール)機能はもちろん、キープレーンアシストやブランドスポットアシストなど思いつく限りの安全装備はほとんど全部付いています。アクティブハイビームアシストプラスでは、周囲の車を眩惑しないように照射範囲を制御したハイビームにより、広い視界を確保します。
さらに現行モデルには「ARナビ」というナビゲーションの進行方向を実際の映像上に矢印で示す機能が搭載されています。実際にどんな感じか?と言うと…下写真のような感じ。
Bクラスを買うのはこんな人
では、実際にBクラスを買うのはどんな人なのか?と言うと…
Bクラスを安く買いたい!と言う方は…
さて、Bクラスは素敵な車なのは分かったけど高すぎる…と思った方。たしかにこのサイズで700万円はちょっと高すぎる感も否定できません。そんな方は…
中古車を視野に入れて
Bクラスが欲しいけど出費はなるべく抑えたい…そんな方は中古車も視野に入れてみてはいかがでしょうか。2023年10月現在におけるBクラス(W247 前期/後期含む)の中古車価格は、概ね200〜550万円。走行距離や年式を絞れば、新車価格の半額に近くまで出費を抑えることができるのです。前期と後期含めるとW247(現行モデル)は2023年10月現在で130台以上も出回っているので、好みのボディカラーや仕様の個体が見つかるでは無いでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
Bクラスはその独特な立ち位置ゆえ「貧乏人が買う車」なんて揶揄される不運な車ですが、実は隠れた名車だと思います。他社の同セグメント車を寄せ付けない圧倒的な内装と装備、安全性を持ちながら、他のベンツにはない居住性を持ち併せている素晴らしい車だと思うんですよね。
でも実際に乗ってみないとその魅力には気づきにくい…。だからこそその魅力を伝えたくてこんな記事を書いてみました。皆さんにもBクラスの魅力をお伝えできたなら幸いです。