ベンツのお乗りの皆さま、ヘッドレストから「カラカラ」という異音がしたことはありませんか?
ヘッドレストからの異音不具合はW205世代のCクラスでよく発生するようで、筆者のCクラスでも随分前から発生しておりました。「ヘッドレストがカラカラ鳴って不快」「でも高いお金を払ってまでディーラーで直すのは避けたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はヘッドレストからの異音をDIYで直す方法について解説していきます。
これを読めばお金をかけずに不具合を解消できますよ。DIY初心者でも分かりやすいよう、細かなやり方から注意するポイントまで徹底的に解説していきます。
※DIY作業ではパーツの破損などのリスクが伴います。くれぐれも自己責任でお願いします。
DIY修理に挑戦!結果は…?
走行中、ちょっとした段差を乗り越えるたびに耳の近くから「カラカラ…カラカラ…」と聞こえるヘッドレストからの異音不具合。運転に支障が出るような不具合ではないものの、一回気づいてしまうとまぁまぁ耳につく音量です。
でもディーラーに頼んだらどうせ高い修理費がかかるんだろうな〜
…という訳で今回はDIY修理に挑戦してみました。
結果オーライ。ちゃんと直りましたよ。
今回DIYするにあたって、なかなかヘッドレストをDIYで修理した記事が見つからず海外のサイトなどを参考にするしかなかったため、同じ症状で悩みの方の参考になるよう「ヘッドレストからの異音をDIYで直す方法」について記事にまとめてみました。
ヘッドレストからの異音不具合をDIYで直したい!と言う方、ぜひ参考にしてください。
発生した不具合について
発生した車両はこちら
ヘッドレスト異音の不具合が発生したのはこちらの車両。
作業手順
それでは具体的な作業手順について解説していきます。
①シートバックパネルを外す
W205のヘッドレストは簡単に取り外すことができず、座席背面にあるシートバックパネルを外す必要があります。
もしシートバックポケットが開きっぱなしになる不具合がある場合は、同時に対処した方が得策です。シートバックポケットのDIY修理方法については以下の記事を参考にしてください。
kamas-cars.hatenablog.com
作業に取り掛かる前に、この部分を養生しておいた方が無難です。筆者は養生せずに作業したところ、少しだけ傷がついてしまいました。
では作業に入りましょう。
まずはシート背面の下の方にある留め具を外します。外し方は隙間に指を入れて引っ張るだけ。5個のクリップで止まっています。
無理に力を入れて外すとクリップが破損します(筆者も破損させてしまいました…)。作業しづらい位置にあるのですが、なるべく慎重に外してください。仮に5か所全部破損させてしまうと元に戻せないので注意です。
写真の矢印の位置あたりに指を入れ、思いっきり手前に引っ張ってください。バキッという音がして中にあるクリップが外れます。クリップ(ツメ?)で留まっているだけなので、手前に引っ張って外すだけです。
ちなみに本気で力を入れないと外れません。慎重に少しづつ引っ張るのではなく、力を入れて一気に外した方が上手くいくような気がします。
クリップが外れる音がしたら、パネル全体を斜め手前下向きに引っ張れば外れます。
そのとき、シート下部の左右にある丸い膨らみが邪魔になるため、パネルの隅を外側に引っ張ってかわしましょう。
※クリップの接着剤が引き剥がれることがあります(筆者も剥がれてしまいました)が、もう一度接着剤でくっつければOK。
③ヘッドレストを取り外す
次はヘッドレストを固定しているピンを外します。
写真の位置あたりにヘッドレストの金属棒とプラスチックのパーツを繋ぎ合わせるピンがあるので外します。手で簡単に外れますよ。部品が小さいので落としてなくさないように気をつけて下さいね。
固定ピンが外れたら、あとは上から引っ張ればヘッドレストを外せます。金属の棒が結構長いので座席位置を一番下に下げた状態じゃないと天井にあたって抜けないので注意してください。
これでやっとヘッドレストが外せました。普通なら上に引っ張るだけで済むのに…作業量が尋常じゃないですね。
④ヘッドレスト内部を取り出す
次はヘッドレストの皮革カバーを剥がしていきます。
「こんなんどうやって剥がすん?!」と思うかもしれませんが…写真の位置から外していくと上手くいきます。指を入れて引っ張るだけです。あまり力任せに外すと革が破れるので注意してください。
両端が外せたら次は真ん中です。
反対側も同じように両端→真ん中の順に外していきます。
次はサイドボタンを外します。ココのやり方が分からず、今回の作業で一番時間がかかってしまいました。
外し方はボタンの上下位置からマイナスドライバーを入れ込んでコジリ出すだけ。傷がつかないよう、必ず周囲は養生しておいてください。けっこう力を入れて無理矢理外す形になります。
外したボタンの内部には少々傷が付きますが、致し方なし。
ここまでできたら摘出準備は完了です。
あとは皮革カバーが破れないよう、ゆっくりと外してください。サイズがピッタリなので無理に外すと破れる可能性があります。
摘出できました。内部はこんなプラスチックだったんですね。
⑤ヘッドレストを分解する
いよいよ異音の原因に近づいてきました。あとはこの箱を分解するだけです。
まずは2箇所のトルクスネジを外してください。
ネジが外れたら、写真の矢印の位置にマイナスドライバーなどを入れるとパカッと分解できます。
開けるとこんな感じ。バネとか色々あるので部品落とさないよう気をつけてくださいね。
⑥砕けた部品を取り除く
さて、異音の原因を除去していきます。
よく見るとあちこちの部品が割れています。「HD-PE(=高密度ポリエチレン?)」と刻印がありますが、これは素材選び間違っているとしか言えない状況ですね…。
割れて砕け散った部品を摘出したらこんなに出てきました。これが異音の原因だったんですね。
⑦ヘッドレストを組み立てる
異物を除去できたら、分解したときと逆の手順で組み立てていきます。
あんなに部品が割れたら何かしら支障あるんじゃないか?と思いますが、何の不具合もありません。そのまま組み立てて大丈夫です。
トルクスネジを忘れないよう気をつけてください。ここのネジを締めるときは、部品が割れないようあまり強い力で締めすぎないようにしてください。
⑧皮革カバーをかぶせる
次は皮革カバーをはめていきます。
サイズがピッタリなので、慎重にはめるようにしてください。無理にはめると革にシワが寄るだけでなく、最悪破れる可能性もありますため。
サイドボタンも忘れないようにしてください。はめるとき、向きを間違えないよう注意してくださいね。
⑩シートバックパネルをはめる
最後にシートバックパネルをはめれば完成です。
パネルには上に2つと下に2つ、合計4つのクリップ(ツメ)があります。パネルをはめるときは上側のツメ→下側のクリップの順にはめてください。
まずは上のツメがはまるよう左右の位置を合わせつつ、下から上に向かってツメを入れ込んでください。
上側のツメはシートバック上部にあるここの隙間に入ります。
上側のツメが入ったら、あとは下側の硬いクリップを押し込んではめ込みます。バキッという音がして固定されればOK。
下側のクリップ(接着剤がよく剥がれるやつ)はここの隙間に入ります。
そのときにシート下部の左右にある膨らみが邪魔になりますが、パネルを広げて外側からかわすようにしてください。
最後にシートバックポケットの下の方にある留め具を留めて完成。
DIY挑戦はやっぱ不安だな…という方は
ここまで解説してきましたが、やっぱりDIYはやめとこうかな…と思った方もいらっしゃるかもしれません。しかしこの作業を正規ディーラーに依頼するとなると、おそらく数万円の作業となるでしょう。
依頼するなら欧州車に強い整備工場へ
「ヘッドレストの異音を直したいけどDIYは不安」「けど正規ディーラーで数万円も払いたくない!」という方は、正規ディーラー以外の整備工場へ依頼するのが得策です。依頼する際は、欧州車の実績が十分にある整備工場を選びましょう。
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