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車のバッテリーは夜間走行でも充電される?ベンツで検証した結果

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バッテリー上がり」は、車のトラブル事例トップ3に入るほどメジャーなトラブルです。突然やってくるバッテリー上がり…出先で動けなくなってしまうのは避けたいですよね。

バッテリー上がりを防ぐには最低でも1〜2週間に1回はエンジンをかけて動かすのが良いとされていますが、つい忙しくて放置してしまう…そんな方も多いのではないでしょうか。

一方、夜間に走行してもバッテリーは充電されない”と言う噂も耳にします。夜はヘッドライトなどで電力を使うため、車を走らせてもバッテリーが充電されないというのです。

そこで今回は、噂の真偽を確かめるため…
「車のバッテリーは夜間走行でも充電されるのか」を検証したいと思います。これを読めば、噂の真偽がわかるだけでなく、今後のバッテリーに関するトラブル対応の幅が広がりますよ。
実際に愛車のベンツAクラス(W177)で検証した結果は如何に!?アプリで検証前後のバッテリー残量をチェックしながら検証したいと思います。


  • 夜間走行でバッテリーが充電されるか知りたい
  • バッテリーの役割や仕組みを知りたい

バッテリーの役割


まずは車のバッテリーの役割について簡単に解説していきたいと思います。そもそもバッテリーとは電気エネルギーを蓄え、必要に応じて取り出せるもの。言い換えれば「蓄電池」ですね。

では、車のバッテリーで作られた電力は何に使われるのでしょうか。


バッテリーの役割は…
  • 電子部品への電力供給
  • エンジンの始動

役割①:電子部品への電力供給


車にはヘッドライト、ワイパー、ナビ、パワーウインドウなど、数えきれないほどの電子部品がたくさん搭載されています。
バッテリーは、それら電子部品を動かすため電力を供給する役割を担っています。



「車ってそんなに電気を使うの?」と思われるかも知れませんが、今や車は電子部品の塊と言っても過言ではありません。
エンジンを制御するコンピュータ、ハンドルをアシストする電動パワステ、アクセル開度を制御する電子スロットル…隅々まで電子制御されているため、電気がないと車を動かすことができなくなってしまいます。

さらに障害物センサーなどセンサー類の増加に加え、パワーシートやパワートランクなどあらゆる箇所の電動化が進んだことで、車に搭載される電子部品の数は飛躍的に増えています。車内イルミネーションを搭載する車種も増えてきましたね。

電力供給源であるバッテリーは、電子制御が進む昨今の車事情において、その重要性はますます高まっています。

役割②:エンジンの始動


さらにバッテリーは“エンジンの始動”と言う重要な役割を担っています。


一般的に車のエンジンはガソリンなどの燃料で動く訳ですが、最初に始動するときだけ電気の力を借りないと動かすことができません。エンジン始動時は“セルモーター”と言われる小さなモーターでエンジンを回す必要があり、セルモーターはバッテリーから供給される電力で駆動しているのです。
アイドリングストップ車は頻繁のエンジンのON⇔OFFを繰り返しますが、その度にセルモーターを回す必要があるため、バッテリーに対する負荷はかなり大きいと言われていますよ。

バッテリーは「電子部品への電力供給」「エンジンの始動」という非常に重要な役割を担う部品なのです。

バッテリーが弱るとどうなる?


車のバッテリーが弱くなってくると、古くて消耗した乾電池を使うのと同じように色んな機能に不具合が生じます。
例えばヘッドライトが暗くなる車内照明が暗くなるなど…他にもパワーウインドウやパワーシートの動きが遅くなると言った症状も現れます。

また、バッテリーが弱るとセルモーターを回せなくなり、エンジン始動時の「キュルキュル」という音が弱々しくなります。さらに症状が進めばエンジンが始動できなくなってしまいます
コレが完全な「バッテリー上がり」ですね。



このようにバッテリーが弱ってくると様々な不具合が生じます。出先でバッテリーが上がってしまい動けなくなった…なんていう最悪の事態を未然に防ぐためにも、バッテリーのケアは気をつけておきたいですよね。

バッテリー劣化の原因


バッテリー上がりの対策をご紹介する前に、バッテリー上がりの原因(=劣化の原因)について簡単に解説したいと思います。


バッテリー劣化の原因は…
  • 劣化の原因は「サルフェーション」
  • 低充電状態が続くと劣化しやすい

バッテリーの構造

バッテリーは「陽極板」と「陰極板」が「電解液」で浸された構造をしています。両極板と電解液の間で化学反応が起きると、両極間で電子の受け渡し、すなわち電力が発生する仕組みになっています。
車のバッテリーは鉛蓄電池と言われる種類であり、電極板に鉛(なまり)が使われています。

バッテリーが劣化する仕組み

鉛蓄電池の劣化の主要因はサルフェーションと言われています。「サルフェーション」とは、バッテリーが放電する過程で電極板表面に発生する硫酸鉛のことを指します。
硫酸鉛は電気を通さない物質ですが、通常はバッテリーの充電反応で電解液に溶けるようになっているので問題は起こらないはずなのですが…。

長い間、充電されずに低充電状態が続くと、電極板に付着している「サルフェーション」が結晶化して硬くなってしまいます。
すると、電極板として有効な面積がだんだんと減っていくため、バッテリーとしての性能が低下してしまうのです。

すなわちバッテリー上がりの原因はサルフェーションであり、長い間充電されない低充電状態によって引き起こされるトラブルなのです。

バッテリー上がりを防ぐには


バッテリー上がりを未然に防ぐには、なるべく低充電状態にしないこと、つまりは頻繁に充電することが重要です。
そのために我々が日常からできる予防策として「車を走らせること」が挙げられます。

バッテリーが充電される仕組みは…
  • エンジンの回転により充電される
  • オルタネーターがエンジンの回転を電力に変換

車が走るとバッテリーは充電される


車を走らせるとバッテリーが復活する…その仕組みはどうなっているのでしょうか。

車のエンジンは、始動時だけバッテリーの電力を借りて回転しますが、一度エンジンが回り始めれば、その回転エネルギーを「オルタネーター」によって電気エネルギーに変換し、バッテリーを充電する仕組みになっています。つまり、エンジンの回転は車を動かすだけでなくバッテリーの充電にも使われています。
エネルギー変換のロスを最低限に抑える先人の知恵ですね。

充電される仕組み


「オルタネーター」は、エンジンの回転を電気に換えてバッテリーに電力を供給する部品です。

「オルタネーター」はモーターに似た構造をしており、内部にある電磁石をエンジンの力で回し、その外側にあるコイルに発生する電力をバッテリーに供給できるようになっています。
モーターは電気→回転に換える装置ですが、オルタネーターは回転→電気に換える装置。同様の原理で逆の変換をしている訳ですね。



すなわち車を走らせることでエンジンを回転させ、その回転エネルギーをオルタネーターで電気に変換してバッテリーを充電すると言う仕組みになっています。

夜間走行でもバッテリーは充電されるのか


さて前置きが長くなりましたがここからが本題です。
車を走らせることでバッテリーは充電されるはずですが、夜間走行の場合はどうでしょうか。
夜間はヘッドライト等による電力消費が大きいことから、「夜間に走行してもバッテリーは充電されない」との噂もありますが、ホントなのでしょうか。

噂の真偽を確かめるべく、夜間走行でもバッテリーは充電されるのか検証したいと思います!
すなわち「夜間走行で消費される電力量」「エンジンの回転による充電量」のどちらが大きいのか?がポイントになりますね。

検証に使う車はこちら

今回、検証に使用するのはこちら。

愛車のベンツAクラス(A180 W177)です。
kamas-cars.hatenablog.com


ちなみに内装は上の写真の通り。そこら中がピカピカ光ります。
アンビエントライトで大量にLEDを光らせるため、夜間走行時の電力消費は比較的大きいものと予想されます。今回の検証にはもってこいですね。

アプリでバッテリー残量をチェック


夜間走行前後のバッテリー残量は、メルセデスmeのアプリを使って確認します。
具体的な残量%までは分かりませんが、一定の電圧を下回るとメッセージ警告が表示されるようになっています。

バッテリーの電圧が問題なければ「正常」と表示され、電圧が低いと「充電推奨」と表示されます。

検証前 : 電圧低下気味の「充電推奨」

検証を行う前は「充電推奨」と表示されています。やや電圧が低下気味な状態ですね。
最近ちょっと動かす頻度が低かったのかな…。

さて、これが夜間走行でどこまで復活するのか?!検証していきたいと思います。もちろん、バッテリー充電が目的ですのでアイドリングストップはOFFにして走ります。

検証後 : 結果は…

ズバリ結果は…夜間走行を50分ほど行ったところで、アプリのバッテリー表示が「正常」へと戻ったことが確認できました。

検証の結果は…
  • 夜間走行でもバッテリーは充電される

つまり…
夜間走行でもバッテリーは充電されます。

ただし、20分ほど走行して確認した時はまだ「充電推奨」のまま。あくまで夜間の空いている国道を50分間、休みなく走り続けると「正常」に戻った…という結果ですので、それなりに走行距離は必要なようです。

もっとも、昼間に走行した場合どうなるか…のデータがないため”夜間走行“の負荷がどれほどかは分かりませんが。



とにかく夜に車を走らせてもバッテリーは充電されることが確認できました。
したがって「夜間に走行してもバッテリーは充電されない」はウソ、ある程度走れば充電されると言うことが分かりました。

まとめ

いかがだったでしょうか。
夜間走行でもバッテリーは充電されることが分かりました。昼間は忙しくて車を動かす時間がない…と言う方も、夜にドライブすることでバッテリーの劣化を抑制することができますよ。

バッテリー長持ちの秘訣はとにかく車を動かすこと。夜間でも充電されますから、バッテリーのケアも兼ねて昼夜問わず愛車とドライブする時間を楽しむのはいかがでしょうか。